newscollege

ニュースカレッジ~気になるニュースやおさえておきたいニュースを日々更新しています~

Powered By 画RSS Powered By 画RSS

@NewscollgeInfoさんをフォロー

出版不況なのに、『コロコロコミック』が80万部も売れているヒミツ

   

毎月15日は「小学生男子がゲラゲラ笑う日」――。

 「な、なんだよ、いきなり。どういう意味?」と思われたかもしれないが、正式にこのような日が登録されているわけではない。子どもたちのバイブルとも言える『月刊コロコロコミック』(以下、コロコロ/小学館)の発売日なのだ。

 記者は某月15日、某書店を偵察した。目的は、子どもたちが『コロコロ』を手にするかどうかである。店内をふらふら歩いていると、男の子が最新号を大事そうに抱えて、レジに向かった。しかも、1人や2人ではない。次々に、分厚い雑誌を手に取っていたのだ。

 「それはちょっと大げさでしょ。いまは出版不況。雑誌なんて売れないはず」と言いたくなる気持もよーく分かる。漫画雑誌の発行部数をみると、ほとんどが右肩下がり。そんな中で、『コロコロ』は80万部ほど。メインターゲットの小学4~6年生男子に絞ると、2人に1人が読んでいる計算になるのだ。

 雑誌の創刊は1977年。“不惑”になっても、なぜ子どもたちを笑わせ続けることができるのか。妖怪ウォッチの生みの親でもある和田誠編集長に聞いたところ「うんこ・ちんちん原理主義で喜んでいただける」とのこと。いきなり「うんこ・ちんちん原理主義」である。聞いたこともないこの言葉に、どんな意味があるのか。

 もうひとつ疑問がある。小学生のとき夢中になって読んでいたはずなのに、ほとんどの子どもはいつの間にか雑誌を手放す。周囲の大人に聞いても「あれ、確かに」「気付いたら『ジャンプ』を読んでいたよ」といった声ばかり。ひょっとしたら、雑誌離れのタイミングというものがあるのかもしれない。

 『コロコロ』は40年も経つのに、なぜいまも売れ続けているのか。また雑誌を卒業するとき、子どもたちは何を考えているのか。この2つの謎を解くために、和田編集長に話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

●「うんこ・ちんちん原理主義」は永遠

土肥: 『コロコロ』の読者ターゲットは、小学4~6年生の男子なんですよね。この層は150万人ほどいるのに対し、雑誌の発行部数は80万部。つまり、2人に1人は読んでいる計算になるのですが、どういったところにチカラを入れているのでしょうか?

和田: 小学4~6年生の男の子は、女の子と比べて成長が遅いですよね。女の子は恋愛やオシャレなどに興味があるのに、男の子は漫画に「うんこ」や「ちんちん」が登場すると、ものすごく喜ぶ。時代が変わってもこうした傾向は同じで、編集部ではこのことを「うんこ・ちんちん原理主義」と呼んでいます。

土肥: どこかの雑誌は「努力、友情、勝利」をテーマに掲げていますが、『コロコロ』は「うんこ、ちんちん」なわけですね。編集部員に「男の子はうんこが好きだから、ぶりぶり登場させろ!」といった話をしているのですか?

和田: いえ、そういう指示はしていません。指示をしなくても、うんことちんちんはたくさん登場するんです。「今月はちょっと、うんことちんちんが多過ぎるのでは」と思うことも。「このうんことあのうんこはかぶっていないかな」と思うことも。このように感じるほど、作家さんと編集部の間で、うんことちんちんは自然なネタなんですよね。

土肥: 個人的な話をすると、ワタシは「うんこ」派でして。小学6年生のとき、女の子からノートを渡されて「卒業の記念に、何か書いて」と言われたんです。そして、ノートに大量の「うんこ」を書いたところ、めちゃめちゃ怒られました。こちらは「何も悪いことをしていない」と思っていて、むしろ「おもしろいでしょ、このうんこ」といった感じでサービス精神たっぷりだったわけですよ。

 ……や、話がそれました。漫画にうんこやちんちんがたくさん登場するわけですが、なぜ小学生の男の子はこの2つが好きなのでしょうか?

和田: 学校に行くと、勉強が大変ですよね。塾に行くと、たくさんの宿題が出ますよね。このほかにも、子どもたちは友人関係や親子関係などで窮屈だなあと感じているのかもしれません。そうした気持ちをどのようにしたらやわらげることができるのか。どのようにしたら開放的な気分にさせることができるのか。そのひとつに「うんことちんちん」があるのではないでしょうか。もちろん、漫画には感動的なシーンがあったり、戦うシーンなどがあったりしますが、うんこ・ちんちんを描くことで子どもたちは前向きになれると思うんですよね。

●『コロコロ』は閉ざされた世界

土肥: 時代によって、うんこ・ちんちんの描き方に変化はあるのでしょうか。例えば、料理の場合、時代に合わせて甘さを控えている……といった話をよく聞きます。

和田: 漫画で「うんこ」といえば「とぐろを巻いている」といったイメージをもっている人が多いのではないでしょうか。このような描き方をしたのは誰なのか分かりませんが、実際のうんこはどうでしょうか。とぐろをまいているものなんて見たことがないですよね。

土肥: 洋式トイレが増えているので、そのようなうんこを見ることはほとんどないでしょうね。

和田: うんこ・ちんちんというワードは「大きな声で言えない」「大人に言ったら怒られる」といった後ろめたさを感じているのではないでしょうか。でも、漫画ではそれを存分に描く。そうした表現に触れることで、男の子はちょっとスッキリしたり、明るくなったりするんです。あと、SNSなどを見ていると、若い人たちの間でも「うんこ、ちんちん」というワードをよく使っているんですよね。まるで、あいさつのように。

土肥: 雑誌にたくさんのうんことちんちんが登場していると、保護者からこのような声はないですか。「ちょっとお下品ザマス。ウチの○○ちゃんが悪影響を受けたら、どうするんザマスか」と。

和田: 『コロコロ』はちょっと特殊な雑誌なんです。毎月購読している大人が何万人もいるわけではありません。基本的には、閉ざされた世界。大人が入り込みにくいので、子どもたちだけが楽しんでいる。といったこともあって、男の子たちも安心して読んでいるのではないでしょうか。どういった作品が掲載されているのか、どういった表現をしているのか、といったことを大人は気付いていないかもしれません。

土肥: なるほど。話は変わりますが、企画の立て方について話を聞かせてください。ワタシはビジネス誌を担当していて、企画を立てるとき「40代のビジネスパーソンはこんなことに悩んでいる。じゃあ、これで」といった感じで、自分と近い立場の人を想像しながら展開しています。でも、『コロコロ』の場合は違う。読者は小学生の男の子。年齢が離れた子どもたちはどんなことに興味をもっているのか。よく分からないのに、どのようにして企画を考えているのでしょうか。

●ネタのヒントは必ずどこかにある

和田: 小学生の男の子にも、ガリ勉だったり、スポーツが得意だったり、お笑いが好きだったり、ゲームが上手だったり、さまざまなタイプがいますよね。私たちはそうしたさまざまなタイプに対応していかなければいけません。

 編集部員の中には、サッカーがとても大好きで、ワールドカップの際には必ず現地に行って応援する者がいます。一方、サッカーには全く興味がなくて、ワールドカップが開催していても、デートに行く者もいます。編集部にはこうした“幅”がとても大切だと思っています。そうした幅があるということは、子どものころの記憶にも幅があるんですよね。

土肥: さまざまなことに興味をもっている子どもたちに対応するには、編集部に多様性が必要だと。

和田: 自分が小さいころにブームになったものがあれば、自分はなぜそれに引かれたのかを考えなければいけません。そして、それをいまに置き換える。「これがいま流行っているけれど、自分が子どものころのこれね」といった具合に、結び付けなければいけません。そして、そこからヒントを得て「ひょっとしたらこうしたらヒットするかも」といった流れで企画が進んでいくことがあります。

 また、オモチャメーカーさんやゲームメーカーさんなどと一緒に企画を考えることもあります。「こういうオモチャはどうか」「その場合、こういう漫画でいきましょ」といった会話があって、話が進むことも。その際、先ほどもお話ししたとおり、自分が子どものころこういったものが流行っていたなあと考える。そして、それにいまのテクノロジーを加えれば、こうした企画ができるかもしれない、といったことを考えなければいけません。

 ネタのヒントは必ずどこかにあります。そのネタは時代をちょっとだけリードしていればいいんですよね。ただ、ヒット作品は狙って打てるものではありません。10打席立って、1本打てればいい。2本打てた編集者はかなり優秀……といった世界ですね。

●『コロコロ』を卒業する男子の心

土肥: 『コロコロ』を読んでいるのは、小学4~6年生の男の子が多いですよね。どこかのタイミングで雑誌を“卒業”するわけですが、それがいつなのかがよく分からないんです。この取材前に、周囲の人に聞いたところ「遠い昔のことだからよく覚えていないなあ」「そんなこと考えたこともない」「あれ? いつの間にか『ジャンプ』を読んでいた」といった声ばかり。男の子の間で「もう『コロコロ』は読まない」といったタイミングに、何らかの傾向はあるのでしょうか?

和田: あります。先ほどもご紹介したとおり、男の子はうんこやちんちんを楽しんでいる。なぜ楽しめるかというと、思春期に突入していないから。つまり、自我に目覚める前の段階で雑誌を読んでいる。ただ、大人びた男の子は、恋愛やオシャレ、音楽などに興味を示し始めます。例えば、女の子に興味をもつと、『コロコロ』に掲載されている漫画を幼稚に感じるんですよね。

 前月まで何度も繰り返して読んでいたはずなのに、今月は手にも取らない。昨日まで雑誌の中で夢を見ていたのに、急に目覚めてしまうような感覚ではないでしょうか。

土肥: ある日、突然『コロコロ』を読むのが恥ずかしく感じるのでしょうか?

和田: ですね。ほとんどの男の子が離れます。そして中学生や高校生になると、『コロコロ』は最も遠い存在になるのではないでしょうか。ちなみに、私も離れていました。当時、どんな漫画が連載していたのか、全く記憶にありません。

土肥: 別れるときには「スパッ」と離れていくわけですね。でも、編集部としてはできるだけ長く読んでいただきたいですよね。「恋愛なんてしちゃダメ」と思わないですか?

和田: できるだけ長く読んでいただきたい気持ちはあります。ただ、『コロコロ』は読者と一緒に成長してはいけないんですよ。

土肥: 成長してはいけない? どういう意味でしょうか?

和田: 『コロコロ』の読者は、うんちが好き、ちんちんが好き、ゲームが好き、オモチャが好きなのですが、人間は必ず成長します。成長して次の段階に入れば、『コロコロ』を卒業して、違う雑誌を読んでいただきたい。

土肥: おお、懐が深い。

和田: いえ、そうではありません。成長した読者にしがみついてしまうと、下の世代が興味をもちそうな漫画を掲載できなくなるんですよね。そうすると、新しい読者を増やすことができなくなる。

●うんこ・ちんちんのシャワーを浴びせる

土肥: 他の雑誌編集者は「読者が高齢化して困っているんだよねえ」と嘆いていました。その雑誌、かつては「転職」「給与」「リーダー」といったテーマの話が多かったのですが、最近は「定年後」「年金」「健康」といった内容ばかりで。

和田: 読者の平均年齢が上がらないように、私たちはあえて卒業生を追いかけません。男の子にはどんどん恋愛をしてもらいたいし、音楽を好きになってもらいたいし、オシャレに興味をもってもらいたい。そして、私たちはどうするのか。新入生に、うんこ・ちんちんのシャワーを浴びせます。そうすれば、必ず新しい読者が増えると信じています。

土肥: シャワーを浴びれば、開放的な気分になれそうですね。本日はありがとうございました。

Yahoo!ニュース引用
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170628-00000023-zdn_mkt-bus_all

【newscollege管理人コメント】
なるほどねぇ~、うんこ・ちんこねぇ(笑)
言われて見ればコロコロコミックを夢中になって読んでいたなぁ、小学校の頃ね。
自分、ゲームセンターあらしに夢中になってたなぁ。
と、同時に小学校の高学年の頃はジャンプに夢中になっていたなぁ。
ドクタースランプあられちゃんに夢中になっていたなぁ。
あられちゃんもうんこを棒にさして走っていたねぇ(笑)

コロコロの読者さん達は自分のスマフォを持たされていない世代だから、コロコロに依存するよね。

まぁ自分自身も夢中になったコロコロ、これからも長く長く続いてほしいもんですよ。

 - 経済