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感染症を「わざと」伝染し合う…「感染パーティー」の異常すぎる実態

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感染パーティーの異常な実態

7月13日、「米国で新型コロナの感染パーティーを開催し、感染した大学生が亡くなる」というニュースが報じられ、世界中を驚かせた。この一報は、彼が死の間際に漏らした感染への後悔とともに伝えられて大きな注目を集め、「コロナは作り話ではなかった…」と驚いたコロナ懐疑派もいたという。

一方でこのパーティー自体の存在に疑義を呈する論評もあり、必ずしも事実関係ははっきりしない。しかしながら、このような「感染パーティー」を開催する人は日本でも出てくるであろうと危惧されるし、実際にこれまでもいた。

 以前から、水ぼうそうやはしかなどの、感染パーティーを開催する人は日本でも見られた。驚く読者も多いかと思うが、よく聞く事例は子どもを持つ親たちのパーティーだ。

 たとえば、友人の子供が水ぼうそうに罹ったとする。まだ自分の子供が罹っていなければ、幾人かの親たちに声をかけて一緒に遊ばせ、感染の「おすそ分け」を期待するというものだ。

 このように、ある感染症にかかっている感染者と感染していない健常者が集い、飲めや騒げやの大騒ぎをしながら飛沫を浴びる。そこで軽症で終わる(と思い込んでいる)感染症にうまく感染して、タダで免疫をつけてしまおう、という発想で開催されるものが「感染パーティー」である。

 これの対象となる感染症は、一般的に症状が軽く大事に至らないと思われていて(これが誤解であることは後述)、免疫を獲得すると再感染しないことが期待されるタイプのものだ。同じ感染症であったとしても、明らかに苦痛が強かったり、致死率が高かったり、再感染する疾患(たとえばノロウイルスやエボラウイルスなど)は対象にならない。

 本来、ワクチンで予防できる疾患が含まれることもあるが、ワクチンに関するデマによってあえて接種せず、感染パーティーに走ってしまう残念なケースもある。

感染パーティーに潜む重大なリスク

主催者は、安全だと考えてこのような感染パーティーを開催するのだろうが、そこで感染させあう病気には危険が潜んでいる。

 たとえば水ぼうそうは子どもの感染症として一般的だが、合併症として肺炎や脳炎、髄膜炎が知られている。特に脳炎・髄膜炎の神経系合併症では、記憶や言語、注意力など高次の脳機能に障害が残る可能性がある。「子どもならば感染するもの」と考えてしまう普通の病気だが、思わぬリスクがあるのだ。

 またはしかは非常に感染力が高く、「1人の感染者が何人の健常者に感染させるか」の指標である基本再生産数で比較すると、新型コロナウイルスの10倍近い。予防のためにはワクチンを2回接種する必要がある。

 合併症は肺炎・脳炎のほか、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)がある。これは発症から数年以上経ってから、それまで出来ていた動作が出来なくなり、知的障害や身体の麻痺などが徐々にあらわれてくる、非常に悲惨なものだ。

 また新型インフルエンザが流行した2009年には、その感染パーティーも企画されていたらしい。その時点では、まだ致死率も重症化率も合併症もデータがなく、詳細は不明だった。

 ただおぼろげに「死亡することはなさそうだ」という雰囲気だけを根拠に、新型インフルエンザの感染パーティーが開催されては、どんな悲惨な運命が待っているかわからない。実際にはインフルエンザ脳炎、肺炎など重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、極めて危険だ。

 そして今回の新型コロナウイルス。冒頭でも記したように報道された事例についての真偽は不明だが、「若年層では重症化するケースは少ない」という言説が広まっている。無根拠な噂に載せられて、新型コロナの感染パーティーを企図している人も実際に存在すると思われる。

 あるいは、「感染パーティー」と銘打っていなくとも、夜の街でのシャンパンタワーや回し飲みなど“実質的感染パーティー”とも言える状況が報じられている。今回の流行は、日本で本格化してからまだ半年少々しか経過していない。新型コロナウイルスは、基本的に「まだわからないことだらけの病気」だ。

 そのまだ不十分な知見のなかでも、血栓が詰まり脳梗塞や心筋梗塞などを起こす心血管系合併症や腎障害、慢性疲労といった症状の報告は多い。この先も新たな合併症が判明すると予想され、油断できないだろう。

絶対に参加してはいけない
 このように感染パーティーで感染してしまうと、感染症本来の症状はもちろん、はるかに大きな合併症で苦しむ可能性がある。だから、皆さんの周囲でそういった噂を聞いたら、絶対にやめさせてほしい。

 すでにワクチンが存在する疾患については、これまで厳しい臨床試験を経て安全性が確立した製品で免疫をつけるのが基本だ。たとえ基礎疾患がない健康な人でも、重症化するケースがある。気管内挿管され一言も声を発せず、人工呼吸器につながれトイレにも行けなくなるという事態が十分に考えられる。

 また高齢者の場合は、リスクはより高くなる。大切に乗った車でも10年走ると故障する部品が出てくるし、それがエンストするまで目に見えないことも多々あるだろう。痛いわけでも痒いわけでもなく意識されていない基礎疾患を抱えている可能性があるため、取り返しのつかないことになってしまうかもしれない。

 感染パーティーという愚行を止めるためには、社会全体の協力が必要なのだ。

勝田 吉彰(関西福祉大学教授)

https://news.yahoo.co.jp/articles/ce2e4cd953bca2d453162c3d9c346b92d471bbd1?page=2
ヤフーニュース引用







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